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「働きやすい環境づくり」のために介護士リーダーができること

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「働きやすい環境づくり」のために介護士リーダーができること

こんにちは、さとひろです。

いろんな介護士やいろんな職種が働いている介護施設。

職員の入れ替わりが激しく現場が安定しないと感じているリーダーの方が多いのではないでしょうか。

本記事では、「介護士が働きにくいと感じる原因」と、「働きやすいと思われるリーダーの行動」を解説しています。

あなたのチームメンバーが前向きに働ける環境を作れるよう、ぜひ最後までお読みください。


さとひろ

ぼくは、特別養護老人ホームで働いて20年目の生活相談員&衛生管理者です。

これまで介護士に限らず看護師やほかの資格を持っている多くの職員と一緒に仕事をしてきました。

この経験を踏まえ、介護士が働きにくいと感じる原因と働きやすいと思えるようになるためにリーダーの行動について解説していきます。


先に結論を言ってしまいますね。

他にもあるとは思いますが、ぼくが問題と感じているものをあげています。

介護士が働きにくいと感じる原因

  • 組織構造が守られない
  • 責任がおもい
  • 赤字体質
  • 労働時間が長い


働きやすいと思われる行動

  • ゴールを意識する
  • 業務を見直す
  • 話し合う・共有する

上記のことを解説していきます。

チームメンバーにもっと前向きに働いてほしいと思っているリーダーのみなさん。

ぜひ最後までお読みください。

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介護士が働きにくいと感じる原因


介護施設はいろんな人がかかわっている職場です。

介護士、看護師、ケアマネジャー、栄養士、機能訓練指導員……

一般企業もいろんな部署がありますが、介護施設ならではの問題もありますので解説していきます。

組織図が守られない
責任がおもい
赤字体質
労働時間が長い

組織図が守られない

まずは、組織図が守られないんです……ほんとに。

どの施設にも組織図はあると思いますが、それを理解している人が少ないのが現状。

介護士がユニットリーダーをすっ飛ばして主任に提案事項をもっていったり、上長に許可をとらずに他部署とやり方を変えてしまったり……

部署間も、看護師は介護士の仕事内容は細かいところまではよくわからないし、逆もそう。

看護師も相談員がどうやって入居調整をしているかなんてわからない。

機能訓練指導員や栄養士だって他部署のことはよくわからない。

介護士同士だって他フロアや他のユニットのことはわからない。

ユニットはそれぞれ職員が数人ずつしかおらず、それぞれにリーダーがいる。

リーダーが多すぎます。

そしてリーダーが多すぎるのに、互いによくわかっていない。

自分はこういう介護がしたいといっても、看護師はダメだという。

じゃあなんでダメなのかっていうのは互いにうまく説明がつかないことがほとんどです。

Aさんにはこのケアが必要だといっても、相手には介護の知識や経験がないからちんぷんかんぷんだし、相談員が空いているベッドの入所を進めようとしても手のかからない人を入れてほしいとか。

事務方は経営の立場からとにかくベッドを埋めてほしい、でも現場は利用者よりも職員を入れてほしい。

ぜんぜん意見がまとまりません。

しかも、異動があったり、離職率が高かったりすると人が入れ替わってしまってよりまとまらない。

「あの人がいたときはこうだけど今はいないからこうやります」なんてことはしょっちゅう。

それでよいケアになるのならまだよいけど、基本このパターンは質が落ちる傾向があると思います。

責任が重い

次は、責任が重いんですね。

人の生活、場合によっては命を扱いますから責任は重いです。

介護士は介護士で自分の決められたことをやらないといけない。

看護師は利用者さんの体調につねに気を配っています。

相談員はベッドが空いたままだと施設長から怒号が飛びます。

それぞれの職責を果たすためにプレッシャーを感じてナーバスになっています。

だからなかなか意見を変えられない。

利用者さんのためにこういうことをしなければいけないんだっていうんだけれど、それは思いつきではなくて利用者さんの生活を思ってこその意見のはず。

介護士なりの……看護師なりの……リハビリ職種なりの……事務なりの……

家族も家族でこういうケアをしてくださいっていったりします。

立つのがやっとの男性の利用者さんのケアに対して、「おしっこは立ってさせてください」

嚥下機能が衰えて、充分な食事が食べられない状況なのに、「なるべく形のあるものを食べさせてください。好きだったから食べられるはず。」

努力はするけど無理なものは諦めてほしいものですね。


赤字体質

あとは介護保険の仕組み上儲かりすぎてはいけない仕組みになっているので、赤字体質になりやすいです。

国が介護報酬を決めているので、「頑張って運営したから収入が3倍になった」なんてことは残念ながら起きません。

一般企業のように波があって、儲かった時にお金を貯めて……みたいなことはなくて、常に儲かりすぎないようぎりぎりのラインが組まれているんです。

また、介護士の給料が安いっていう問題もあります。

一般企業に比べると、労力に見合わない安い賃金で働かされてるっていうのはよく知られていることかなと。

介護の仕事の心身の負担や責任を考えると、もっともらっても良いはずです。

でも、給料をもらうために、もっと黒字になるような方向に振り切ろうとすると、あんまり利用者さんのためにはならないんですよね。

こうすれば効率化できるっていうのはわかっているんだけどぼくらはやらないんです。

利用者さんのためにならないとわかっているから。

結局介護士としての倫理と儲けのバランスをとるとぎりぎり黒字というケアになってしまう。

もっとできるのに……

労働時間が長い

労働時間も長いですね。

夜勤があったり、人手不足で残業があったり……

早番を組めずに、夜勤明けの人が日勤がくる9時まで残業する「明け残」が日常的にある施設もあります。

早番から遅番まで通しでやる「早遅」をやることも……

介護の仕事は資格社会なので、空いている時間も勉強しないとダメですね。

介護の制度は複雑で、仕事だけでは充分な知識は身につきません。

休みの日でも仕事のことを考えちゃうなんて人は結構多いのではないでしょうか。


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介護士が働きやすいと思える環境づくり

ここまで介護士が働きにくいと感じる原因を書いてきました。

こんなに嫌なことを書くと、介護施設はおかしなところと思われてしまいそうです。

ごめんなさい(汗)

でも、これまで解説してきたこととは無縁の、働き甲斐のある施設があるのも事実です。

次はリーダーができる対策について解説していきます。


ゴールを意識する

まずはゴールを確認することは大事です。

どういうケアを提供したいのか……

どういう介護をしたいのか……

そのためにはどういうふうに組織を運営していくのがいいのか……

チーム全員でゴールを共有しておかないといけない。

これがないとささいなことで対立してしまうことがあるので気をつけましょう。

具体的には、事業計画をもとに各部署、各ユニットやフロアで今年の目標を決めている施設が多いのではないかと思います。

施設の理念、方針、目標などを達成するためにどう行動していくかを、リーダーが自分の口で発信し、チーム内で共有できるといいですね。


業務を見直す

チームメンバーが働きやすいと感じられるよう、業務を見直して、無駄を削いでいくことも大切です。

職員の入れ替わりが激しい施設も多いので、新人が覚えやすい業務や、人手が足りない中での業務体制を作る必要があります。

雑務が増えるのはミスのもと。

施設の理念や部署のゴールを守れる範囲で業務を効率化するのはチームのためになりますよね。

介護の仕事は人の生活を支える仕事です。

職員目線で利用者さんの生活を業務に合わせるのではなく、利用者さんの生活に合わせて業務を変えていけるのが一番。

職員間のパワーバランスもあってやり方を変えることが難しい部分もあるかもしれません。

ですが、改善しないといけないので、必要なところは改善していきます。

話し合う

ゴールを確認し、業務を見直していくために必要なのが話し合い。

話し合いといえば会議ですが、会議ばかりしていても仕方ないんです。

知識の共有

ただ会議をするのではなく、それぞれの専門職の持っている知識を共有していくとよいです。

ベテラン介護士が考えていることを新人職員と共有したり、逆もまたしかり。

看護師の医療面の知識を介護士と共有したり。

相談員や事務の人が困っているのはどういうところか。

自分のことや自分の部署のことにしか興味がない場合がほとんどですので、お互いの知識を共有することで話し合いの意味が増してきます。

フォロー体制を確立する

部署内やほかの部署と知識の共有をするのと同時に、フォローしあう体制を作っていきます。

事務の人が困っているなら自分たちはこう動こう。

看護師が困っているから介護士の僕たちは手伝おう。

ベッドコントロールがこういう風な状況だから相談員に協力しよう。

自分たちの職域の業務をこなすのは当然ですが、そこに固執するのではなく、ちょっとだけ相手ことを手伝う。

そうすることで部署間のいざこざは減り、うまく回るようになります。

可視化する

知識を共有し、フォロー体制を作ったら、それを可視化するところまでやりましょう。

文章でもいいですし、フローチャートのような図でも構いません。

自分たちやほかの部署の人にもわかるように、見える形にして周知しましょう。

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初心を忘れない

介護士が働きやすい環境を作るために、リーダーは初心を忘れないようにしてください。

自分が苦しかったときのこと、心細かったときのこと、ヒヤッとしたこと、あなたのチームメンバーも今まさにそのつらさを感じていることでしょう。

介護士は施設の中で人数が多い部署ですが、介護士だけでケアをしているわけではありません。

看護師、ケアマネ、相談員、機能訓練指導員、栄養士……

事務の人たちだって直接利用者さんに関わらなくても、職員が安心して働けるように日々仕事をしています。

リーダーがこのことを理解して、自分の部署とほかの部署の架け橋になれれば、チームメンバーの不満を軽くできるはず。

組織構造など、個人ではどうにもできないこともあってきついと感じることもあると思います。

でも、そうではない部分、自分の意識や行動で変えられることもあるでしょう。

介護士が働きやすいと思える環境を作り、よい施設を作っていけるとよいですね。

考え方が変わると行動が変わります。

今日が行動を変える一日目!

それでは^^

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  • この記事を書いた人

さとひろ

介護する人もされる人も、安心して穏やかにすごせる環境 ”CARE GOAL=ケアゴール" を目指して、ケアする人をケアします。

特養で働き続けて20年。
介護士 、施設ケアマネジャーを経験し、現在は生活相談員&副業Webライターをしています。

【保有資格】
・社会福祉士
・公認心理師
・介護支援専門員
・第2種衛生管理者
・介護福祉士
・福祉住環境コーディネーター2級
・日商簿記3級

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